【読書】絶世の美しさを持つ「ローサ」はなぜ短命だった?
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こんにちは、ばうぞーです。
先日からイザベル・アジェンデの「精霊たちの家」を再読しています。
まだ読んでいる途中ですが、あらすじで書かれるくらいに早く亡くなってしまう絶世の美しさを持つ「ローサ」についてちょっと考えてみたいと思います。
あらすじで書かれるくらい早い退場
今読んでいる本はこちら。
イザベル・アジェンデの「精霊たちの家」です。
こちらは、河出文庫さんより発売されており上下巻に分かれています。
上巻のあらすじはこちらです。
クラーラは、不思議な予知能力をもっていた。ある日、緑の髪をたなびかせた人魚のように美しい姉のローサが毒殺され、その屍が密かに解剖されるのを目の当たりにし、以来九年間口を閉ざしてしまう。
出典:イザベル・アジェンデ 「精霊たちの家」(上) 河出文庫 初版
九年間も言葉を発しないことにも驚きですが、物語が始まってすぐに亡くなってしまうローサ。
本当にあっけなく亡くなってしまいます。
なぜこんなに早く亡くなってしまうのでしょうか?
的外れを承知で考えてみました。
どれくらい美しいのか
ローサはどれくらい美しいのか?
あらすじだけでも美しさは十分に伝わってくるのですが、ちょっと本文から引用してご紹介します。
いつものことながら、ローサを見て、彼女はその美しさに思わず息を呑んだ。ローサはこの世のものとは思えないほど美しく、その美貌はどこか人の心を搔き乱すようなところがあり、母親のニベアでさえその魔力に抵抗することができなかった。
出典:イザベル・アジェンデ 「精霊たちの家」(上) 河出文庫 初版
この後にもっともっとローサの美しさが描かれているんですが、あまりにも長くなってしまうのでちょっとだけ引用しました。
母親でさえ息を呑み、心を搔き乱されるほどの美しさをもつローサ!
それに「この世のものとは思えないほど」の美しさ!
しかも、産まれた時点でもうこの世のものとは思えないほど美しかったそう。
現実では考えられないほどの美しさなんでしょうね。
若いうちに退場してこそ絶世の美しさは残り続ける!
ローサが亡くなった年齢はわからないのですが、おそらく10代後半から20代前半だと思われます。
なぜそんなに早く?
と思ったのですが、仮に亡くならずに年を重ねた場合を考えてみました。
ローサが子供を産んで。
年を重ねておばさんになって。
さらに年を重ねておばあさんになる。
ちょっと想像できない、というか想像したくない!
老いてもきれいかもしれないけれど、絶世の美しさが無くなってしまうかもしれない。
ここで思いました。
生まれた時から絶世の美しさを持つ人は、若い内に物語から退場してこそ、その存在が物語の最後まで強く残っていくのだと。
また、この世のものとは思えないほど美しい人って物語の中であまり長生きするイメージがないんです。もちろん偏見かもしれませんが。
存在することでの印象よりも、存在しないことの印象の方が強く残り続けるのかもしれませんね。
また、他の物語では違うのかもしれませんが、「精霊たちの家」についてはローサが亡くなってから物語が本格的に始まる気がします。
物語のきっかけになったり、とっておきのスパイスになる存在なのかもしれませんね。
一度読んだにも関らず、内容を覚えていないのですが、今回は最後までローサの印象が残り続けていくのではないかと思います。
おわりに
絶世の美しさを持つ人は、物語に長く登場するより、ばっと登場して登場人物や読者に強烈なインパクトを与え、さっと退場するタイプの登場人物なのかもしれません。
そう考えると、作家さんが登場人物をどうやって考えるのかがとても気になってきますね。
私には想像もできません・・・
いやー、あっけなくローサが退場してしまい悲しいです。
ただ、この後は九年間言葉を発しなかったクラーラが本格的に登場するでしょう!
「精霊たちの家」は登場人物が皆個性的で楽しい方ばかりです。
気になった方は、まず上巻だけでも読んでみて下さい。
それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました!