#5【こころ/夏目漱石】これぞ運命的な出会い!
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こんにちは、ばうぞーです。
夏目漱石の「こころ」書き写し第5回。
二日ほど空いてしまったので、今回は2段落書き写しました。
果たして先生は出てくるんでしょうか?
では、どうぞ!
何のかんの言いながら海を楽しむ「私」
今回はこちら。
私は毎日海へ這入りに出掛けた。古い燻くすぶり返った藁葺の間を通り抜けて磯へ下りると、この辺にこれほどの都会人種が住んでいるかと思う程、避暑に来た男や女で砂の上が動いていた。ある時は海の中が銭湯のように黒い頭でごちゃごちゃしている事もあった。その中に知った人を一人も有たない私も、こういう賑やかな景色の中に裹まれて、砂の上に寝そべって見たり、膝頭を波に打たして其所いらを跳ね廻るのは愉快であった。
私は実に先生をこの雑沓の間に見付出したのである。その時海岸には掛茶屋が二軒あった。私は不図した機会からその一軒の方に行き慣れていた。長谷辺に大きな別荘を構えている人と違って、各自に専有の着換場を拵えていない此所いらの避暑客には、是非共こうした共同着換所といった風なものが必要なのであった。彼らは此所で茶を飲み、此所で休息する外に、此所で海水着を洗濯させたり、此所で鹹はゆい身体を清めたり、此所へ帽子や傘を預けたりするのである。海水着を持たない私にも持物を盗まれる恐れはあったので、私は海へ這入る度にその茶屋へ一切を脱ぎ棄てる事にしていた。
人の多さや海を楽しんでいるカップルに対し、軽く不満を持っている「私」。
それでも毎日海へ行く。
毎日海へ行き、一人でも砂や波を楽しんでいます。
結局海を大変気に入っていますね。
この部分はちょっと若さが感じられてかわいいですね。
ザ・運命的な出会い!
それにしても、今回の後半は急にラブストーリーの雰囲気がいっぱいですね。
特にこの2つ。
・私は先生を雑踏の中で見つけ出した
・掛茶屋が二軒ある中で、たまたま行きなれていた方で出会う
書き写しながらちょっとドキドキしてしまいました。笑
色んな少女漫画やラブソングが頭に浮かんできました。
おわりに
ここで第一章が終わりです。
おそらく当時の新聞掲載時は一章ごとだと思うのですが、「こころ」ってこんな始まり方だったんですね。
最後で、「え?この後どうなるの?先が早く読みたい!」という気持ちに読者をさせる部分はさすがですね!
まんまと引き込まれております!
第二章はどういう展開になるのか、とても楽しみです!
毎日更新、と言いながら全く達成できていませんが、ちょっと二章からは頑張りたいと思います!
次回も読んでいただけると嬉しいです。
それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました!