【読書】やっぱり一番怖いのは…(今昔百鬼拾遺 鬼/京極夏彦)
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こんにちは、ばうぞーです。
今回は、京極夏彦さんの「今昔百鬼拾遺 鬼」を読み終わりましたので、あらすじと感想を書いていきたいと思います。
表紙はやっぱり怖い
えー。表紙がちょっぴり怖いです。
この本は百鬼夜行シリーズの最新作とされているのですが、これまでのシリーズの表紙もやっぱり怖かったです。
でもつい魅入ってしまうんですよね。
この本をカバーをつけずに電車の中で読んでた私は、周りにどう思われていたんでしょうか…?
…誰も見てないか!
あらすじもやっぱり怖い
続いてあらすじをご紹介します。
「先祖代代、片倉家の女は殺される定めだとか。しかも、斬り殺されるんだと云う話でした」昭和29年3月、駒澤野球場周辺で発生した連続通り魔・「昭和の辻斬り事件」。七人目の被害者・片倉ハル子は自らの死を予見するような発言をしていた。ハル子の友人・呉美由紀から相談を受けた「稀譚月報」記者・中禅寺敦子は、怪異と見える事件に不審を覚え解明に乗り出す。
辻斬りですか…現代ではあまり耳にしない言葉ですが、怖いですね。
しかも被害者は七人ですか…
事件そのものも怖いですが、先祖代代というところもいい感じに怖いですね。
ちなみに、百鬼夜行シリーズの最新作とされていますが、ちょっとスピンオフの要素がありますので、シリーズを読んだことがない方でも楽しんでいただけると思います。
やっぱり一番怖いのは
読む楽しさを奪いたくないのでネタバレはしませんが、読み終わって思ったことは「やっぱり一番怖いのは、人」だということです。
例えば、カレーを作っているときをイメージしてみてください。
「カレー粉無くなったから明日買わないと」
こう思うのは、カレー粉を見て思ったんだろうというのがなんとなく分かります。
ではこちらはどうでしょう?
「nanacoチャージしないと」
これって、端から見てる人からはカレーからどうnanacoに結びついたのかさっぱりわからないですよね?でも、本人の中ではちゃんとした道筋があってたどり着いた考えなんです。
例として分かりにくかったかもしれませんが…
要するに、人が何をきっかけに何を考え、どう行動するのか。
それは他人はもちろん、時には自分自身でさえもわからない。
人のそういうところがとても怖いと思いました。
同じものを見ても考えることは違う。
考えが似ているときもあれば、「何がどうなってそうなった?」と思うくらい違うときもある。
そういうのってよくよく考えるととても怖い。
でも、怖いだけではないとも思いました。
どんなに長く一緒にいたって、誰かを100%わかることは決してできないと、私は思っています。自分のことさえわからないのだから、当たり前と言えば当たり前ですよね。
でも、だからこそ面白いと思いますし、だからこそいろんな人と関わって自分にはない考えや行動を知っていきたいと思っています。
ただ、やっぱり自分とは違う考えの人を見ると、偏見や不安感、怒りや恐怖心が前面に出てしまいます。
それでも、人は時には自分でさえも想像していない行動をとる、怖いけどとても面白い生き物だと思っていたいと思いました。
「鬼」の次は「河童」
いかがでしたでしょうか?
なんとこの百鬼夜行シリーズ最新作は、3ヶ月連続発売でしかも出版社がすべて異なるそうです!
今回の「鬼」は講談社タイガ、次の「河童」は角川文庫、3冊目の「天狗」が新潮文庫より発売されます!
「河童」はもう購入済みなので早速読みたいと思います!
今回ご紹介した本ではなくとも「ちょっと本を読んでみようかな」と思っていただけたらとても嬉しいです。
それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました。